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ほたて漆喰を科学する
Scallop Plasterer Science
 
 
科学1 なぜ漆喰は固まるのか
 自然に存在する石灰を利用した漆喰は、塗り、固まるまでにとてもおもしろい変化を遂げます。 
 漆喰の原材料である石灰岩や貝殻は「炭酸石灰(炭酸カルシウム)です。これを1000℃くらいの高温で焼くと、「生石灰(酸化カルシウム)」になります。これに少量の水を加えると「消石灰(水酸化カルシウム)」に変化するのですが、これが純粋な粉状の漆喰です。 
 実際の現場では、さらにこれに水、スサ、糊などをまぜて塗られます。塗られた漆喰は空気中の二酸化炭素と反応して「炭酸石灰(炭酸カルシウム)」になり、固まります。 
 つまり自然界にある固形の炭酸石灰を「生石灰→消石灰」という過程を経て、再び炭酸石灰に戻しているわけです。見事な発見だと言わざると得ません。 
この変化を化学式で書けばこのようになります。 
CaCO3(炭酸カルシウム)→CaO(酸化カルシウム)→Ca(OH)2(水酸化カルシウム)→CaCO3(炭酸カルシウム)
 
 
科学2 ホタテ貝殻を使う意味
 ホタテの貝殻は炭酸カルシウムを主成分としており、これを漆喰の固化成分の原材料として使うことも可能です。しかし「ほたて漆喰壁」におけるホタテ貝殻は固化成分としてではなく、機能性を上げる役割を果たしています。 
 その最大の機能が「優れた光沢をもつ」ということです。ご存知のように貝殻の内側には独特の光沢があり、この光沢を利用しようとしているわけです。また「ひび割れを防止する」という機能もあります。漆喰が固まったときの状態である炭酸カルシウムと同じ成分をもったホタテ貝殻を混ぜることによって、こうした機能が生まれます。さらにホタテの貝殻には調湿性や消臭性という機能もあります。 
 しかし、こうした優れた機能を確保しながらも、施工しやすい左官材料にするには容易なことではありません。また、貝殻をこうした目的で漆喰に混ぜるという技法は昔からありましたが、貝殻に含まれる不純物によってせっかくの美しい白い色がくすんだり、臭いが残ったりするという問題があったようです。 
 こうした様々な課題に対し、焼成ホタテ製造メーカーである北海道裕雅の優れた特許技術を基本にしながら、「ホタテの粒の大きさを調整する」「配合を変える」などの試行錯誤を繰り返し、解決して出来上がったのがこの「ほたて漆喰壁」なのです。 
 
 
科学3 室内を快適にする機能
 ほたて漆喰壁には、調湿性(図1)、脱臭性、抗カビ性(図2)、抗菌性などの様々な機能があり、室内を快適に保つ働きをします。内装材として理想的な機能をもった左官材料であるといえるでしょう。 
 
図1:湿度が高くなれば湿気を吸い込み、湿度が低くなると吸い込んでいた湿気を吐き出す機能を持つ材料は、その機能によって  の湿度変化を少なくさせることができます。このグラフによって、ほたて漆喰壁がそうした機能を十分に持っていることがわかります。ほたて漆喰壁がこのような調湿性や脱臭性を持つのは、水蒸気や臭いの分子を吸着する孔を沢山持っているからです。 
 
図2:ほたて漆喰壁が抗カビ性を持っているのは、ほたて漆喰壁に含まれる消石灰がアルカリ性を示す材料であることが最大の理由ですが、このグラフを見てもわかるように、「ほたて漆喰壁」は「消石灰のみ」よりもさらに高い抗カビ性を持っています。その理由はまだ解明されていませんが、ホタテの貝殻と消石灰とが混ざり合うことによって生まれてきた独特の性質だと予想されます。 
 
 
科学4 ほたて漆喰壁の安全性
 ほたて漆喰壁はホルムアルデヒドなどの化学物質の放散量が極めて少なく、近年大きな問題になっているシックハウスを防止する上でも非常に有効な内装材であるといえます。 
 これは、すべての材料を自然素材にすることにこだわった結果であると思っています。 
 
図3:建築基準法では「ホルムアルデヒドが発散されるおそれのある建材」に対し、その発散量に応じて☆の数をもって示すように定められています。ほたて漆喰壁は自然素材100%であり、こうした建材ではありませんが、念のために発散量を測定してみた結果がこのグラフです。もっとも発散量の少ないF☆☆☆☆の基準よりもはるかに少ない結果となりました。 
 
図4:ほたて漆喰壁はホルムアルデヒドだけではなく、 の化学物質もほとんど出てこない安全な内装材であることを示しているのがこのグラフです。たとえば、一般に使用される壁紙からのトルエンの放散速度は、ここで示されている0.0047mg/m hの1000倍〜10000倍ほどだといわれています。このトルエンも含め、ここで放散されると示された様々な化学物質のほとんどは空気中にあったものが少し吸着された結果であると思われます。 


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